コロナのさなか、オンライン会議デビュー!
- 内山典子
- 2020年4月28日
- 読了時間: 3分
本を作る人々というのは、うちあわせが好きだ。
みんながそうではないかもしれないけど、
少なくとも、私はそう思っている。
編集者は人と会ってナンボ。
人と人が出会う時に生まれる化学反応。
それが楽しくてたまらない。
私はそんなタイプの編集者だ。
だからなのかな?
出版業界というのは、
アナログ好きな人が
生息している世界な気がする。
デジタル化とか、遅れがちなのではないかと。
そんな業界の端っこにいる私も
今回のコロナによるリモートワークの波で
オンライン会議デビューを余儀なくされた。
きっとそんな編集者さん、あちこちにいるはず。
ソフトはどれー?
ログインってどうやるのー?
うち、資料本に埋もれてて、背景になるような壁、ないんだけどー?
次々と立ちふさがる、それらの問題を
なんとか片付け、(部屋の背景は、片付いてないまま(^_^;))
いざ、オンライン会議デビュー!!
今まで、取引先の会議室でスカイプ会議など
やったことはあるけれど、
自宅にいながらの打ち合わせは、お初。
画面に相手が写っただけで
「おおーーーっ!」とお互い感激する。
スペースシャトルにいる毛利さんと映像でつながったみたいに。

資料は事前に、エクセルやスキャンで送り合って
各自プリント。
それぞれが持ち寄った参考資料などは
パソコンのカメラに「これ、見てー!」と
差し出す。
1時間半くらい、ブレストをして、終了。
さて、初体験の感想は・・・
「なるほど、なんとかなるもんだなぁ。」
ちゃんと、アイディアも出たし、
次に進むべきステップも決まった。
うん。これは、有効なツールだぞ。
でもね、コミュニケーションの質(量?)としては
体感で、リアル対面の40%くらいかな。
ちゃんとモニターで顔も見えて、
おしゃべりも双方向リアルタイムでできるのに。
私の体感は、「物足りない」というものだった。
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リアルで誰かと会って、取材やブレストをしていると
お互いの熱みたいなものが反応しあって
見えない上昇気流が巻き起こる。
その気流に乗って
私は内側からのエネルギーで膨張し、
ふわふわ~っと、高みにのぼる。
興奮。
ひらめき。
自分では想定外だった場所まで、行ける。
オンライン会議では、
どうもそこまで、行けなかった。
「慣れ」も、あるのかな?
あるいは、人によるのかな?
私のスキルは、リアルな体験に寄りどころを持つ部分が
大きいのだろう。
あー、本物の人と人が会って話す、って
すごく偉大だ。
思うのだけど、
生身の人間からは、目に見えない粒子とかが
出ているんじゃないだろうか?
実際に会った時だけ、お互いの粒子が反応し合うような。
こんな、時代に逆行したことを言ってる私も
いやおうなく、オンライン化の波にのみこまれるだろう。
これからは、オンラインで上手に意思疎通するすべを
身につけるほうがいいだろうし、
バーチャル上昇気流も生み出せるようになったほうがいい。
ここで「~のほうがいい」という言葉づかいになってしまう。
そうしたい、というわけではないのだ。
私はやっぱり、交通費と時間をかけても、
リアルな交流がしたいよ。
でも、世間の風潮では
アフターコロナは、リモートが加速度的に進むと言われている。
わずらわしい職場の人間関係にわずらわされなくていい、とか?
そうかなぁ?
たしかにリモートは効率いいけれど
豊かなノイズが削ぎ落とされてしまうみたいで寂しい。
ちょうど、レコードからCDに変化した時みたいに、ね。
今や、CDさえもなくなって、スマホで音楽、聴く時代。
音質の劣化を嘆くよりも、便利さのほうが優勢だ。
誰かと会って、全身を使って、エネルギー交換する。
そんなのは、レコードを聴くみたいに
「贅沢」なことになる時代が来るのだろうか?
そんな、センチメンタルな気持ちに、ちょびっとなってしまった。
まあ、恐れなくてもいいのだろう。
私だって、波に乗って進化していくはず。
レコードもスマホの配信音楽も両方楽しむように、
ケースバイケース、選択肢を増やせるようになるのかもしれない。
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